身近に潜む化学物質「PFAS」とは?健康への影響と対策
- Tanaka Ryoto
- 1月27日
- 読了時間: 5分
更新日:2 日前
今日は私たちの日常生活に深く関わっている化学物質についてお話しします。
「PFAS(ピーファス)」という言葉、聞いたことはありますか?
実は、あなたのキッチンにある調理器具や、毎日着ている服にも使われているかもしれない物質なんです。
今回は、特に注目されている「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」について、わかりやすくご説明していきますね。
PFASって何?私たちの生活とどう関係があるの?
PFAS(ピーファス、有機フッ素化合物)は、人工的に作られた化学物質のグループで、なんと数千種類も存在します。
その中でも、PFOSとPFOAは特に広く使われてきました。
これらの物質の特徴は、水をはじく・油をはじく・熱に強い・薬品に強いという優れた性質を持っていること。
そのため、こんな身近な製品に使われています:
フライパンのテフロン加工(焦げ付きにくいコーティング)
レインコートや傘などの防水加工
カーペットや家具の防汚加工
お弁当の包装紙やファストフードの包装材
消火剤
半導体の製造工程
便利な素材だからこそ、私たちの生活のあらゆる場所に使われてきたんですね。

問題点:「永遠の化学物質」と呼ばれる理由
ここからが重要なポイントです。
PFOSとPFOAは、科学的にとても安定しているという特徴があります。これは言い換えると、「自然界でほとんど分解されない」ということなんです。
環境に長く残り続ける
環境中での寿命が非常に長い:PFOAは8年以上、PFOSはなんと41年も残ると推定されています
体内からも出ていきにくい:人間の体内では、PFOAで約3.8年、PFOSで約5.4年も残ります
世界中どこにでも存在する:水に溶けやすい性質のため、北極や南極などの遠隔地でも検出されています
この「分解されずに長く残る」性質から、PFASは「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」とも呼ばれています。
食物連鎖を通じて濃縮される
さらに心配なのが、食物連鎖を通じて生物の体内に蓄積していくこと。小さな魚から大きな魚、そして私たち人間へと移るにつれて、体内の濃度がどんどん高まっていくんです。
健康への影響は?気になる研究結果
「じゃあ、実際に私たちの健康にどんな影響があるの?」と気になりますよね。
現在わかっている研究結果をご紹介します。
動物実験でわかったこと
肝臓への影響:肝細胞が大きくなったり、肝臓の重さが増えたり
発達への影響:赤ちゃんの体重減少や発達の遅れ
免疫力の低下:抗体(病気と戦う力)の産生が抑えられる
ホルモンバランスへの影響
人間での研究結果
実際の人を対象にした研究でも、以下のような関連が報告されています:
コレステロール値の上昇
甲状腺ホルモンのバランスの変化
肝酵素の上昇(肝臓の負担が増えているサイン)
ワクチンの効果が弱まる(免疫応答の低下)
妊娠中のリスク上昇:妊娠高血圧や妊娠糖尿病
生まれてくる赤ちゃんの体重減少
※注意:これらの研究は「関連がある」ことを示していますが、必ずしも「PFASが原因」と確定しているわけではありません。ただし、世界中の複数の研究で同じような結果が出ているため、懸念は高まっています。
発がん性について
国際がん研究機関(IARC)による評価では:
PFOA:2016年に「発がん性の可能性がある」とされ、2023年には「発がん性がある」に格上げされました
PFOS:現在も「発がん性の可能性がある」に分類されています
世界と日本の取り組み
国際的な規制
2009年(PFOS)と2019年(PFOA)に、「ストックホルム条約」という国際条約で、残留性有機汚染物質として登録され、製造や使用の制限・廃絶が求められています。
日本での規制
化学物質審査規制法:PFOS(2010年)、PFOA(2021年)が第一種特定化学物質に指定され、製造・輸入・使用が原則禁止に
水質環境基準:2019年に合計で50ナノグラム/リットル(※)という基準が設定されました
※ナノグラムは10億分の1グラム。非常に微量でも規制の対象になっています。
代替物質の新たな課題
規制を受けて、短鎖PFASなどの代替物質への転換が進んでいますが、実はこれらの代替物質にも環境残留性があり、健康への影響が懸念されています。これを「遺憾の置き換え」(Regrettable Substitution)と呼び、新たな問題として注目されています。
今注目されている研究
最新の研究では、こんなことがわかってきています:
複数のPFASへの同時曝露:いくつかの種類のPFASに同時にさらされると、単一物質よりも強い影響が出る可能性
他の汚染物質との相乗効果:マイクロプラスチックなどとの組み合わせによる影響
低濃度でも長期間の影響:特に子どもの発達期への影響が心配されています
睡眠への影響:睡眠の質や睡眠時間との関連も報告されています
※これらの研究はまだ初期段階で、実際のリスク評価にはさらなる研究が必要です。
今日からできる!個人でできる暴露対策
「じゃあ、私たちにできることは何?」という疑問にお答えします。
完全に避けることは難しいですが、暴露を減らす工夫はできます!
1. 調理器具を見直そう
テフロン加工のフライパンを避ける
代わりに選ぶなら:ステンレス製、セラミック製、鋳鉄製(スキレットなど)
2. 食品包装に注意
グリース防止加工(油がしみない加工)の包装を避ける
特にファストフードの包装には注意(毎日の摂取を減らす)
3. 水を浄化する
活性炭フィルターなど、PFASを除去できる家庭用浄水器の使用を検討しましょう
4. 製品表示をチェック
「フッ素フリー」「PFAS-free」などの表示がある製品を選ぶ
購入時に少し意識するだけで、暴露を減らすことができます
まとめ:知ることから始める健康管理
PFOSとPFOAは、その優れた機能性から私たちの生活に広く浸透してきました。
しかし、環境中で分解されにくく、体内に蓄積しやすいという特性があり、さまざまな健康リスクとの関連が指摘されています。
大切なのは、過度に怖がるのではなく、正しく知って、できる対策から始めること。
調理器具を変える、製品表示を確認するなど、小さな行動の積み重ねが、長期的な健康につながります。
健康的な生活は、こうした日々の選択の積み重ねです。今日からできることを、一つずつ取り入れてみませんか?
何か気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね!





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